Nori
日系2世で、日 本人の顔のように見えるNori氏だが、ブラジルのサンパウロで生まれ、育ち、祖国の文化やアートの影 響を受けてきた彼は、日本人にはない独特の感性を持っている。そのルーツを探ってみたいと思う。
グラフィティアートからタトゥーへ
僕は、2年前に 日本へ来るまではずっとブラジルで過ごし、サンパウロの大学に通いアートを専攻しながら、グラフィティをショップの看板や壁にペイントする仕事をしていま した。そのうち、彫り師をしている友達が僕にタトゥーのフラッシュ(下絵)を描く仕事を紹介してくれ、まずフラッシュを描くようになったことがタトゥーと の出会いです。タトゥーのデザインをペンで描いているうちに自分も彫る側に立つということに興味を持つようになり、独学で勉強を始め、その後いくつかの ショップに勤めて彫り師として活動してきました。ブラジルで彫る仕事をして4年、日本に来てからは2年くらいになります。
_子供の頃から 絵は好きでしたか?
はい。父親や友 達など、僕の周りにアートが好きな人たちがたくさんいた環境もあり、絵だけでなく、アート全体に興味がありました。その中でも特に夢中になったジャンル が、フラッシュ描きの仕事でもやってきたニュースクールのタトゥーのデザインです。
オリジナル性が求められる日本でのタトゥー
_ブラジルと日本の両国で彫り師として活動されていますが、
仕事のスタイルに違いはありますか?
ブラジルでは、 タトゥーが身近で、タトゥーを彫りたいお客さんが多い分、一つ一つのタトゥーに対するこだわりはやや少ないように感じます。ストリートに建つ小さなショッ プが多く、やってくるお客さんも雑誌やフラッシュの中からデザインを選びます。彫り師の数もとても多く、中には絵が全く描けない彫り師も存在します。僕は オリジナルでデザインを描くスタイルの方が好きなので、日本で、多くのお客さんがオリジナルタトゥーをリクエストしてくれるのがいいことだと感じていま す。
_日本ではどの ようなデザインのオーダーが多いですか?
日本人のお客さ んに関してもそうですが、日本に滞在しているアメリカ人やブラジル人からも、日本らしいデザインのオーダーが増えました。龍や鯉、桜や牡丹や紅葉、それに 和彫のバックグラウンド。ブラジルで仕事をしていたときは、日本のデザインを彫ったことはほとんどなく、和彫に対しても正直あまり興味がなかったのです が、日本へ来て勉強するようになり、とても魅力を感じるようになりました。和彫のモチーフの美しさや強さだけではなく、ワンポイントタトゥーとは違った、 背中一面や腕から胸のひかえにかけてなど、あらかじめ決まった形の額の中にデザインするのが、難しくもあり奥が深いとも感じます。日本で学んだ和彫と、自 分のスタイルをミックスしていき、お客さんのリクエストに応えられるような仕事をしていきたいです。